「PRA定期預金」の転用可能な投資種類を教えてください?
「投資への転用」を考える際は、転用の手続きを考えるより先にまず現在退職庁が認めている「投資」とは何であるのかを理解する必要があると思います。 退職庁は以前は株式への投資であるとか会社設立資金であるとか、住宅購入関連以外への転用を認めていました。ですが定期預金額減額後は転用の用途を絞り込み、現在認められている「投資」とは以下の3項目だけです。
1.コンドミニアムの購入資金
2.住宅建設用地の長期リース(20年以上)のリース料金
3.ゴルフクラブやカントリー・クラブ、スポーツクラブなどの会員権の購入
さて、では投資への転用に必要な手続きを、退職庁の用意している「転用手続きのチェックリスト」をもとに一度検証してみましょう。
以下はゴルフクラブ会員権購入の際に、実際に必要となる書類/手続きです。
ゴルフクラブから取り寄せなければならない書類
1.ゴルフクラブの会社定款と約定、及びSEC(証券取引委員会)登録証
2.ゴルフクラブの正規会社秘書(corporate secretary)からの証書 (外国人のオーナーシップが40%を越えていないことを証明する証書)
3.直近の監査済みの財務諸表
4.会員証の認証済みの写し
5.「退職庁の事前の許可なくしては移譲や売買が出来ない」旨の条文を盛り込んだ会員証の売買契約書
6.ゴルフクラブの正規会社秘書(corporate secretary)からの証書 (会員証の売買、移譲、差し押さえなどの際のPRAへの事前報告を約束するもの)
証券取引委員会(SEC)から取り寄せなければならない書類
1.ゴルフクラブがSECへの年次報告義務を怠っていないことの証明書
本人が用意しなければならない書類
1.PRAへの申請書(PRA書式有り)
2.PRAへの履行確約書(PRA書式有り、公証の必要有り)
3.PRAへの書簡(会員証の値段が受け入れられるものであり、且つこの売買に関してPRAを完全に免責することを言明した書簡)
以上のように、必ずしも「なんだかんだと言って実際には下ろさせない」という訳ではありませんが、かなり煩雑な手続きが必要であることは確かです。 フィリピンでの通常の公文書取り扱い手続きからみれば、必要とされている提出書類は購入者の権利保護の立場からして、特別込み入ったものではありません。
然しながら契約関連書類などの取り扱いに慣れていない我々一般の日本人にとっては、やはり「面倒臭いことこのうえない」ということになるかと思います。
リタイヤメントビザ取得時に必要な定額預貯金ですが、「不動産投資をした実績がある場合は、預金をする必要ない。」という情報を聞きました。本当でしょうか?
2006年に退職者ビザ定期預金額が減額になる以前(現在2万ドルで済む50歳以上の定期預金でも以前は5万ドルが必要でした)は、そうしたケースが認められたこともありました。
ですが、現在は(少なくとも定期預金の扱いについては)特例扱いは一切認められておりません。ビザ申請者は必ず指定銀行に退職者ビザ特別定期預金口座を設けなくてはなりません。
「PRA定期預金」を住宅用土地の長期リース料として引き下ろす場合、どのような書類が必要ですか?
土地の長期リース用途に定期預金を引きおろす際の必要書類は退職庁用意のチェックリストによると以下の通りです。
1.PRAへの申請書(PRA書式有り)
2.PRAへの履行確約書(PRA書式有り、公証の必要有り)
3.リースされる土地の移転登記証と納税証明
4.「リース権者はこのリース契約が移転登記証に登録、記載されることに合意する」ことが契約条件に盛り込まれた、リース契約書。
5.「退職庁の許可なくしてこの土地を売買したり担保物件としてはならない旨(下記英文の文面)」が記載された、移転登記証書の登記所が証明した写し
“That the herein Lessee is a participant in the Retirement Program of the Philippine Retirement Authority, a government corporation created under EO 1037, dated July 4, 1985 with office address at the 29thFloor, Citibank Tower, 8741 Paseo de Roxas, Makati City and that the sale, transfer, or encumbrance of this property during the period of lease is subject to the approval of the Philippine Retirement Authority as provided for in the Contract of Lease.”
自分が居住する為ではないアパート用土地のリースは可能でしょうか?
例えばそれが2件長屋などでその1件に自らが居住するということであれば、退職庁から了解を取り付けることはそれほど難しいことではないと思います。大規模なアパートになると、これは「退職者生活」の枠を超えた純粋な商業行為とみなされますので、おそらく認可されないと思います。 いずれにせよ、これはケースバイケースで退職庁の裁量に委ねられることになりますので、一般論としてはイエスともノーともどちらとも判断しかねます。
アパート経営を外国人がすることは可能でしょうか?
外国人名義の自営業登録は、アパート経営に限らずいかなる「自営業」であっても認められていません。これはフィリピン人配偶者の有無にも関係ありません。よって外国人が起業するためには、フィリピン人の名義を借りて自営業登録するか、もしくは外資40%フィリピン国内資本60%で現地法人を設立するかの、いずれかの方法を選ぶことになります。
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